さて、草薙龍瞬さんの『反応しない練習』の解説シリーズです。ベストセラーだけあって、この本は一部でものすごく誤解されています。
その誤解の最大の部分が、この本を「煩悩の否定」だ、怒りなどの感情を消してしまえば、すべてうまくいくのだ、という部分です。こんなことは、この本のどこにも書いてありません。
これについては、この動画にまとめました。
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また、そこから発生する重大な誤解として、この本は「シカトすること」「スルーすること」の勧めだという誤解です。これは別個にまた動画を用意しますが、これもどこにもそんなことは書いていません。
どうも、この本を読む前から、結論ありきでタイトルに惹かれて「こんな本だったら良いな」「こんな本を求めていた」という人が、強引に解釈しているのではないかと思われます。
そういう傾向がよく出ているのが、この本は「承認欲求を否定している」というものです。この本は「承認欲求」を否定していません。
これも、そんなことは書いていないし、むしろその逆にこの本は「承認欲求をうまく使え」と、この本では、承認欲求を自分で認めて大切に使うことで、よりよい人生が送れる、としているのです。
どうしてそういう、真反対と言える読解が生まれてしまうのでしょうか。これもまた、本を読まないうちに、本の中身を「こうだったら良い」という視点で見てしまっているからでしょう。
この、とらわれてしまった、自分に都合の良い態度こそが一番良くない。物事を正しく観る、「理解する」ことによって、無駄なことに「反応しない」という正しい態度を身につけることを強く勧めているこの本で、一番取ってはいけない態度であることは間違いありません。
この本が愛読書だ、という人に残念ながら特にその傾向が強いように思われます。正しくこの本を読んで、ぜひ、間違いから目を覚ましてほしいと思います。そっち方面じゃなくて、正しいやり方をしないと、またすぐに、感情に振り回される自分に戻ってしまいます!
書籍から、ズバリ引用してみましょう。