シン! 原始仏教探究ブログ

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仏教の力でSNS疲れ解消!嫌な思いを打ち消し、健全な感情コントロールへ

 

草薙龍瞬さん『反応しない練習』が大変良い本なので、さらに開設動画連動記事を公開いたしますね。

 


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 この「反応しない練習」が優れているのは、よくある「悩みを消す」という方法はダメだ、と言い切っているところです。

 つまり、この本でいう「反応しない」というのは「都合の悪いことには耳を貸さない」「見なかったことにする」という態度とは真逆だということです。

 考えれ見れば、嫌な思いを消す、ってなんか、うさんくさくないですか(笑)。だって、嫌なことがあったからこそ、それなりに嫌な感情が芽生えてしまったわけで、それを見ないようにしようと思ってあれこれ忘れる呪文を唱えても、そんな子供だましのやりかたでは、忘れた、封印したと言い聞かせただけで、すぐにその嫌な思いはまた浮かび上がってきますよね。

 この本は、例えば、正しく感情をコントロールするために下記のようなことが必要だと説いています。

悩みをなくそうとしない。「理解」することが正しい

 

悩みをなくそうとしない。「理解」する

反応せずに、まず理解する── これが、悩みを解決する秘訣です。特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることが可能になります。
では、「心の状態を見る」とはどういうことか。ここではその方法を三つ紹介します。①言葉で確認する。②感覚を意識する。③分類する── いずれも、ムダな反応を静める絶大な効果を持っているので、ぜひ実践してください。

『反応しない練習』第1章 反応する前に「まず、理解する」

例えば、①については、こんな感じで非常に実践的だし、説得力があります。

①ココロの状態を言葉で確認する。
これは、心の状態を「言葉で確認する」方法です。たとえば、苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と確認します。長時間テレビやインターネットで遊んでしまったときは、「アタマが混乱していて落ち着かない」「心がざわついている」と客観的に確認します。特に「目をつむって」確認してみると、心が落ち着きます。

仕事中でも、家族といるときも、「今、自分の心は、どんな状態だろう?」と意識するようにします。
「疲れを感じているな」「気力が落ちているな」「イライラしているな」「考えがまとまらないな」というように、客観的に確認します。

こうして、心の状態、体の動作を、客観的に言葉で確かめる習慣を身につけるのです。 実践していくと見えてきますが、言葉で確認すると、「反応から抜け出せる」のです。反応か ら抜けると、心は落ち着きを取り戻します。 「言葉で確認する」作業は、メンタルヘルスの基本として、お勧めできます。

『反応しない練習』第1章 反応する前に「まず、理解する」

 この本のキーワードである「反応しない」こととは、何があってもスルーするっていうのとは大違いで、むしろ、何があってもスルーしないで、正しく冷静に向き合って無駄な感情をそこに発生させないということを説いています。

 言い換えれば、「見なかったことにしよう」と、脳をだます態度は、嘘をついて脳を無理やり手懐けるわけですから、普通に考えても、ものすごく労力がいる作業になりますよね。

 見なかったことにする、聞かなかったことにすることは、途方もなく難しいことだと思います。そんな楽ができりゃ苦労しないという話。

 それが、とても難しいからこそ、感情を消す方法という分厚い本が次から次へと出版されているわけです。

 この本は、そういうまやかしの感情コントロール方法を否定した上で、正しい感情コントロール方法を「感情を消す」=見なかったことにする、聞かなかったふりをすることではなく、「正しく理解する(向き合う)」=「無駄な反応をしない」という態度に求めます。

 非常に奥深い本です。

 

 決して現実逃避のすすめではなくとても積極的に、正しく仏教を理解している方ですね。