シン! 原始仏教探究ブログ

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2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

神仏の二重性 ~真理としての神仏と人格を有する神仏~

〇世界外と世界内のブラフマン 覚りを開いた後、仏法を説法すべきか否かを迷う釈尊のもとに娑婆世界の主である梵天(ブラフマー)が現れて、説法を勧める「梵天勧請」の話はよく知られているのではないでしょうか。そもそも梵とは?ブラフマンという宇宙最高…

【西田哲学】西田の「場所」とプロティノスの「一者」 ~働くものから見るものへ~

西田幾多郎は、古代ギリシア哲学が「有(形有るもの)」を実在の根底に考えたのに対し、西洋人と先祖を同じくするアーリア人による古代インド哲学は「無(形無きもの)」を実在の根底に考えたとしています。 hiruandon-desu.hatenablog.com 〇古代ギリシア …

華厳経の重々無尽縁起・華厳宗の性起説・天台宗の性具説・ライプニッツのモナドロジー

hiruandon-desu.hatenablog.com 前回の記事の続きになりますが、『華厳経』の修観の解説として、中国華厳宗の第四祖 澄観が説く「四法界」観がよく知られているかなと思います。 〇四法界観 ・事法界観 「事」または「相」とは現象界・個物のことであり、森…

三界唯心 〜心が諸仏と衆生を作る〜

『華厳経』の「三界唯心」は中期大乗仏教の如来蔵思想や唯識思想の原点の一つではないかともいわれています。この経典の『夜摩天宮菩薩説偈品』において、仏の神通力を承り、各々の世界を代表する菩薩達が偈頌を唱えます。九番目に登場する如来林菩薩が唱え…

菩薩十地 ~大乗菩薩の階梯~

大乗仏教 唯識学派が説く「四種涅槃論」 「四諦の滅諦」、即ち「道諦(八正道)」によって最終的に至る境地が、煩悩を滅した涅槃(ニルヴァーナ)です。大乗仏教の唯識派はその涅槃について次の四種を説くようになります。 ・本来自性清浄涅槃 真如のことで…

八正道と六波羅蜜(十波羅蜜)

繰り返しになりますが、釈尊の教えは智慧と慈悲からなっていると言えます。それは釈尊が成道前には上求菩提の道に往って仏法を覚り、成道後には下化衆生の道に還って衆生へ仏法を説いて導いたという生涯から伺い知ることができます。仏教の中心である智慧と…